かつて「2007年問題」というものがあったのを覚えていますか?
終戦後の1947年から49年までの3年間に生まれた“団塊の世代”が定年を迎えることに伴う、労働環境へのさまざまな影響を捉えたもので、当時の流行語にもなりました。
この世代は、ファッションや音楽、レジャーなど、文化面にとくに大きな影響を与え、それぞれの年代ごとに新たなライフスタイルを生み出す原動力の役目を担ってきました。しかしその半面、仕事を生きがいと考えてきた人が多いため、第一線を退くことで、生きる目的を見失ってしまう人も少なくありません。
そこで、第二の人生の目的を「性生活」の充実に定めることで「現役の男」を謳歌しようというタフな挑戦者も現れました。
老後の性は、男にとって、世代を超えたテーマなのです。
高齢者の性を考えるにはよい世代団塊の世代の実年齢は現在、64歳から62歳。厚生労働省の『人口動態統計』によると、団塊の世代の出生数は約806万人。総務省の『国勢調査』(05年)によると、約678万人がご健在。人口比で見ると5%強です。
戦後の「産めよ増やせよ」という国策が反映されているだけに、あらゆる面でボリュームが大きく、文字通り「塊(かたま)り」として、それぞれの年代を重ねてきました。
この世代の特徴のひとつは、既存の考え方に捉われないことです。ですから「ニューファミリー」や「ニューサーティ」に代表されるように、この層の生き方は常に「ニュー」という言葉をつけて表され、旧来の時代とは一線を画する生活様式を提案してきました。
それだけに、団塊の世代が性にどう向き合うか、とりわけ、男としての「現役」をいつまで務めていくかは、今後の高齢者の性を考える上で大いに参考になると思います。
性生活に定年はない
“仕事一筋”タイプは定年後の目的を見失ってしまうことが多い
職種による違いがあるため一概には言えませんが、いわゆるサラリーマンには「定年」が訪れます。中には生涯現役を貫く生き方を選ぶ人もいますが、それでも、いつかは仕事の第一線を退くときを迎えます。
これに対して、性生活には定年がありません。仕事以上に、生涯現役を貫くことができるはずです。しかし、定年をうんぬんする前に早々とリタイアする人が多いのではないでしょうか。使える権利を使わないのは実にもったいないことです。
性的に健康な多くの男性が経験しているように、勃起は「男」を実感する最も分かりやすい確認方法です。性交に臨む場面ではもちろん、朝立ちで「男」としての自信を深める人が多いのもそのためでしょう。
「男」のしるしである勃起は、パートナーとの豊かな性生活を導くために欠かせない条件です。充実した性生活はパートナーとの人間的なコミュニケーションを深めるばかりでなく、多方面に良い影響を及ぼすからです。
使わない機能は退化する厚生労働省が全国の16~49歳の男女3,000人を対象に、2010年9月に行った「第5回 男女の生活と意識に関する調査」によると、1カ月間性交をしなかった人は45.3%でした。
また、婚姻関係にありながらセックスレスである割合は40.8%で
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